ボス(西田敏行)の愛人(深津絵里)に手を出してしまった手下・備後(妻夫木聡)。代償として、伝説の殺し屋・デラ富樫を探し出すことを約束するが見つからない。
そこで無名の俳優・村田大樹(佐藤浩市)を殺し屋に仕立てあげることを思いつき・・・ 取材・文/相葉マリコ
○三谷幸喜(みたにこうき)
'61年生まれ、東京都出身。日大芸術学部演劇学科卒業。在学中の'83年に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成。以来、劇団活動の傍ら、テレビ、映画の脚本・演出を多数手掛ける。主な作品にドラマ「振り返れば奴がいる」(CX系)「古畑任三郎」〈CX系)「新選組!」(NHK)などがあり、映画「ラヂオの時間」「みんなのいえ」「THE有頂天ホテル」では脚本と監督を兼任。海外でも高い評価を得ている。今作「ザ・マジックアワー」は、監督第4作目となる。
○ザ・マジックアワー
【脚本・監督】三谷幸書【出演】佐藤浩市/妻夫木聡/深津絵里/綾瀬はるか/小日向文世/戸田恵子/寺島進/西閂敏行
映画監督のフリをして村田を操ろうとする備後。その場の思いつきで村田に指示を送り、さまざまな窮地を見事切り抜けることができるか?
三流役者・村田大樹。映画の撮影と思い込み、伝説の殺し屋・デラ富樫になりきるが、知らず知らずのうちに抗争に巻き込まれていく。
ボス・天塩幸之助の愛人・高千穂マリ。ファム・ファータル=魔性の女としてボスをはじめ、その魅力で村田や備緩も翻弄する。
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"マジックアワー”とは映画の専門用語で、太陽が地平線に沈み、空が完全に暗くなるまでの、ほんのわずかな時間のこと。
1日のうちで世界がもっとも美しく輝くその一瞬にカメラをまわすと、淡い光に満ちた幻想的な映像が撮れると言われている。
驚異的な大ヒットを記録した、映画「THE有頂天ホテル」から2年。監督第4作目となる本作で三谷幸喜は、映画の世界をモチーフに、人生に行き詰った人々に訪れる、輝ける瞬間−”人生のマジックアワー”を描いている。
「今回は先にセットのイメージがあって、そこから脚本を練りました。前作でご一緒した美術の種田陽平さんと話して、見た方が”あんな街、どこにもないだろう”って思うような不思議な街を丸ごと作りたかったんです」
セットが日本最大級のスケールなら、出演陣も超豪華。主人公の売れない役者・村田大樹役に挑んだ佐藤浩市は、これまでのシリアスなイメージから一転して、コミカルな役を熱演している。
「お会いするまでは、渋いとかかっこいいとか、ちょっと怖いというイメージを抱いていたんですけど、実際の彼はすごくユーモアのセンスがあって、お笑いも大好きなんですよ。
「最終的にはコメディとしても、ドラマとしても見ごたえのある作品になったと思っています」
村田を取り巻く人々には、街を牛耳るボス・天塩(てしお)に西田敏行、その手下である備後(びんご)に妻夫木聡、三谷が「僕の理想の魔性系」とするマリ役に深津絵里。
さらに劇中劇には中井貴一や唐沢寿明ら、主役級の役者がカメオ出演し、その監督役としては、市川由昆監督も出演している。
「出てきた瞬間に”あの人はベテラン監督だ”と分かるために、本物の監督にお願いしたいと思っていました。昨年、市川監督の映画「犬神家の一族」 に、ワンシーン出演させて頂いたのがきっかけで・・・あ、あの時は僕が『出たい出たい』って言ったわけじやなくて、監督からちゃんとオフアーがあったんですよ(笑)! その撮影後に、『次は僕の映画に出てくれませんか?』って話したら、『いいよ』と言ってくださって。
その言葉を信じてオフアーしました」 今回、”1分間に3度笑わせるコメディ”を目指したという三谷でした。
彼にとっての輝ける瞬間=マジックアワーとは、一体どんな瞬間なのか聞いた。「撮影中、全員の気持ちがひとつになって、ものすごくいいシーンが撮れた時ですね。それは永遠にフィルムに残るわけだから、『すごい魚を釣り上げたぞ!』 っていうような充実感があって、僕にとっては至福の瞬間です。今作は僕にとって、そういう瞬間がー番多かった作品ですね」
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